SAVA

朝、なんとなくただごとではない雰囲気に目が覚めた。部屋の窓はすべて型板ガラスで外は見えないのだけれど、妙に明るく、外が妙に静か。さては雪か?と窓を開けてみると、思った通り一面銀世界だった。
雪になると自転車にも乗れないし、困るのだけど、自然とほっこりしてしまう幸せが雪にはある。
結局、ほっこりしてしまったので、忙しいにも関わらず、穏やかな気持ちで洗濯物をたたみ、シャワーに入りとしているうちにすぐにお昼になってしまった。
そこで、たまたま車に乗って家に帰ってきていたので、少し遠出の昼ご飯とすることに。上賀茂にあるサバの煮込みといえば、もちろん今井食堂。
背骨を食べれるほどに柔かくなったサバはつややかに光って、磨けば宝石にでもなるような原石めいた煮姿である。
なんといううま味の凝縮だ!と感激し、店をでた後、思わず近くの二つの焼餅屋でおいしさ比べなんかもしてしまう。なりたのすぐきも欲しいなあと思いながら、雪の上賀茂神社へ。
家からそれほど遠いわけではないのに、雪が降るだけでかなり遠くにやってきたような気持ちになる。ジャメ・ビュ(未視感)が心地いい。
今日の収穫は唐破風の木造廊橋である片岡橋。そういえばこんなんもあったと再発見。重文である。
行きに鳥居をくぐった時は馬場には雪がふぶいていたのに、帰途、くぐるときには陽光が差し、青空に。
澄んだ空気に映える比叡山は陰影も鮮やかに浮き立っていた。