チョコレート業界の陰謀の日

やってくるのを過剰な不安と期待で待ちわびる日。
かつて、多感な頃、弟が27個もチョコをもらっていた横で惨めな気分だったことは忘れるに忘れられない。
この日が近づくにつれ、もてないが自意識過剰な男どもは分裂気味になる日としても有名。
あと何日か指折り数えながら、理由もなくなぜか突如おびえたかと思えば、次にはだらしなくにやけ、なぜか突如落込み、次の瞬間には笑っているという過剰妄想の表情への垂流し状態が続く。
当日は少し登校が早く、なにげなく机の中を確認。
もちろんロッカーも確認。
昼休みにはモテ男くんたちが放射する余裕光線を受けながら、非モテ男どもは固い結束を得る。
しかし、次々と結束を破り、離反する軟弱者に対する諦観、ひきつる笑い。
放課後にかかる、おもーいおもい一縷の望み。
そして何事も無く過ぎ去る薄幸の日。
白状します、昔はかなり意識してました、バレンタイン・デーのこと。
でもここ数年はどうでもよくなって、
とうとう、今年は本当に意識をせぬままこの日がやってきた。
きづかなかったなー、今日だったんだねー。
うーん、年はとるもんだ。