てれびじょん

昨日、ずいぶん長く封印していたテレビを解き放ってしまった。
というのも、新シルクロードの魅力に負けたため。
1回目を正月、実家で見てしまったので、もちろん2回目も見たくなる。
知人から、新シルクロードやってるでーという甘いメールを頂き、テレビを開封
最初20分程は見逃したけれど、トルファンのベゼクリク千仏洞ってのが取り上げられていて、その内部全面をを覆う誓願図という色鮮やかな壁画の復原がおもしろい。それに、その壁画のもつストーリー、背景はとても魅力的だった。
壁画は、20世紀初頭に様々な国の探検隊によって持ち去られ、今は散逸してしまっている。そのデータを再び集め、欠けた部分を歴史学的考証によって補いながらデジタル復原するんだけど、データが限られている以上、完全な復原はありえないし、補完すべき部分は想像で補うしかない。これは壁画が描かれた時代にまで時代を遡り、その時代の人となってなされた創造行為だな、なんて思う。
誓願図の画題では、然燈仏授記?のエピソードに心魅かれた。釈迦の前世の話で、泥土の上に釈迦が髪を敷き、然燈仏がその上を歩いている図だ。この行為により、釈迦は然燈仏に次の人生で世界の人の灯明になろうと予言されるらしい。
そんな佛教の釈迦以前の話を知らなかったものだから、どのようなものなのか俄然興味が出てきた。
ほんで、トルファン
交易の中心地だっただけに画中に多様な言語が記載されているのが面白い。
漢字からウイグル文字、アラブっぽいものからアルファベットの様なものまで、実に多様。
飛行機がなく、まだ地球が大きく、世界が広い時代の、まだ見ぬ地へのロマンを感じた。
日本がとても狭く感じられた時間だった。
今のトルファンはそんなことも忘れて、ぶどうに踊りと歌にと笑って生きる街。
あの笑顔は今の日本で見られるだろうか?