聚楽第

言葉って生き物だなあと思う。進化かどうかはわからないけれど、とにかく変化してしまう。
まあ、変化するのは生物の特性なのか?!って突っ込まれるとなんともどうしようもないけれど。
なんでこんなこと書くかというと、『聚楽第』の読みが、実は”ジュラクテイ”だったのに、最近はどこでも”ジュラクダイ”だから。
「第」っていう漢字は、段階や順番を表わすらしく、第1番とか次第という言葉からもそれは伺える。転じて、「官職や富の段階に応じて、大小の差のあるやしき」(漢字源)という意味になったようだ。
特に平安時代のりっぱな寝殿には、「とどめる」とか「立派な屋敷」といった意の『邸』よりも、この『第』がよく使われている。
平安期にどのように使い分けられていたのかはわからないけれど、いつのころからか、「〜テイ」というと「〜邸」とか「〜亭」がまっさきにでてきて、「〜第」は後回しになってしまった。
そんでもって、いまや広辞苑でも”ジュラクダイ”でひかないと出てこない。「ジュラクテイとも」と注記されてはいるけども。
いずれ”ジュラクダイ”が”ジュラクテイ”を駆逐する日も近い。