文化財

文化財建造物に関わる仕事をしている。
で、今日は、友達の研究者と文化財とは何かという話になった。
それは建造物の保存はなぜなされるのかという話でもあって、率直に言ってなかなか難しいと思う。
好きなものはずっと残しておきたい、いつでも見ることができるようにしたい!という理由では、税金を使う理由にはならない。
それに、僕自身が考えている保存する理由も好きだから・・・というわけだけでもなさそうである。
もちろん、文化財に関わる以上、そのあたりのことは説明できるように日頃から考えている。
しかし、改めて考えてみるとなかなか一筋縄でいかない問題じゃないかなと思う。

小難しいことをいわなければ、その理由の一つは、人間が根本的にもっているルーツを探りたいという欲求、つまり日本人としてのアイデンティティに関わることだからと考えている。
また、空間体験の豊富さが将来的な住環境に関わるからこそ将来に残すべきとも考えている。
そのために建築物が多様であるべきだから。
他には、二度とつくれないものを残すとか、いろいろと細かな理由はあるけれど、精神的な意味合いが強いのは間違いない。

貴重だとか、価値があるとかは理由にならない。
どう思います?