パリ空港の人々

空港って魅力的。
何が好きなの?と問われても、はっきりと答えにくいところも、またいい!
他にないでしょ。あんな活き活きとした雰囲気に満ちたところ。
特に国際線。

空港に行くと、期待感と希望に満ちてしまう単純な自分に会うことができる。
自分が旅行に行くのではなく、見送りの時でもそう。
なんで、それほど昂揚するかというと、自分の所属する世界が一気に拡がるような気がするから。
また、同時にすごい孤独感も感じてしまう。
でも、その孤独感は生物として根源的なもので、決して孤立感じゃなく、どこか晴れ晴れしい。
宇宙にほおり出されたら、膨大な時間と空間の中で万能感を味わうとともに、非常な無力感を感じるような気がするんだな。
きっとその感覚の同一線上、随分手前の雰囲気が空港にはある。

さてさて、肝心の映画の内容ですが素敵やし、おしゃれです!
空港でパスポートに出国の検印をもらった瞬間から、僕らはどこの国にも居ないことになるわけですが、そういった非日常的で不思議な時間と空間をうまく扱ったのがこの映画。
本来居るべき日常の世界を夢のような世界として映し出し、人の優しさを際立たせて描き出してくれます。
登場人物も魅力的で、ジャン・ロシュフォールはさすがのいい味。
脇を固める俳優も含め、暖かな演技を披露してくれます。
置かれた状況が変わるとこれほど日常は違って見えるのかと驚くこと間違いなし!

一度体験すると元にはもどれないかもしれないのに、こんなハプニングなら体験してみたい・・厄介な作品です